「よい会議」のための準備とは

よい会議のための準備とはどういうものか


1)時間が正確であり

2)綿密に計画されていて

3)会議の内容がきちんとアウトプットされている


事前連絡


事前に日時、メンバーを確認し、会議内容を計画して、メンバーに連絡すること。

会議の内容は、その日のうちにレポートを作成して参加者に送付する。


アジェンダの作成


会議の内容を「計画する」というのは、議題とその発表者を決めるということだ。この議題と発表者を順番に並べて一覧にしたものを「アジェンダ」という。このアジェンダを事前に配布することによって、会議に参加する人たちの準備を促す。


日時を決めることと、このアジェンダ決定の作業を分けるというところにポイントがある。いっしょにやってしまうと、かならず後手後手に回る。発表者の都合を訊いて、それから何をやるか決めて、次の発表者の都合を訊いて……ということをやっていると、少しでも人数の多い会議の場合、月単位でずれ込んでしまうことになるからだ。


議題が多すぎるのもダメな会議になりやすい。議題は、記憶を頼りに絞っていくことができるくらいの数が適切だ。


パワーポイント資料は必要最低限に


パワーポイントを使った資料が山のように配られると、もう、それだけで他の参加メンバーはオーバーフローしてしまう。


結局は資料をこなすだけで会議は終わってしまい、実質的にはなにも決まらないということになる。ある意味で、パワーポイントで資料を作ることが目的化してしまっていると言っていい。


これは絶対に避けるべきことだ。会議でいちばん重要なのは、フェイス・トゥ・フェイスの会話だ。これを疎外する要因は、可能な限り、会議の場から排除するようにしたほうがいい。


IT化というワナ


IT化した場合としない場合を比較すると、ホワイトカラーの生産性はほとんど変わっていないという調査報告がある。

これは、コンピューターが付加価値を生み出す道具として使われているわけではなく、ほとんどが資料をきれいに仕上げたり、あるいはたくさん作ったりすることに使われていることを意味している。


ドキュメントを作り出す効率ばかりが上がって、どのドキュメントを使って意志決定を行うという場面では、ITの導入は、ほとんど役に立っていないと言っていい。つまり、今のようなIT化は、従来からの会議をそのまま電子化したにすぎない。したがって会議そのものの質は改善されないわけだ。

<参考図書>

会議力 (平凡社新書)