「世界共同体」の課題(2)

戦後世界のめまぐるしい変転

第2次世界対戦後の世界は、植民地体制が全面的に崩壊し、中国、東欧が共産主義へ移行するなど様相を一変させた。

それにもかかわらず、先進資本主義諸国は1960年代に史上前例のない高度成長・完全雇用時代を実現した。

だが、その代価として、初めは緩やかだったインフレーションがやがて悪性化した。


そこへ73年のアラブ石油戦略の衝撃が加わり、資本主義は第1次、第2次の石油不況に陥った。

この長期スタグフレーションから立ち直り始めたのは83年以降である。


政治的独立を獲得した発展途上諸国は資源ナショナリズムと先進国からの援助をてこに、経済自立と生活向上の急速な達成を目指した。

しかし、植民地支配の残したいわゆるモノカルチャー的経済構造、改革をはばむ古い土地所有関係、近代化に必要な人材の不足などのため、経済発展の実績は期待を裏切り、途上国と先進国との所得格差はむしろ増大した。

1971〜74年平均では途上国の1人あたりGNPは先進国の13分の1であった。

それが80年には16分の1になってしまった。


他方、人類史最高の生産力水準に到達して“必要に応じて受け取る”理想郷を実現するはずであった共産主義諸国は、多くの問題点を露呈した。

ハンガリー事件、チェコ事件、ポーランドにおける「連帯」労組抑圧、ソ連のアフガニスタン侵攻などである。

各国内部に共通の問題としては、中央計画経済の非能率、それに挑む改革の不徹底があり、その根底にマルクス主義イデオロギーそのものの時代錯誤的な硬直性がある。


世界の平和と調和を目指す以外に未来はない

現代の世界は、このような不安と激動のなかにある。

先進国における浪費的な生活儀式、環境破壊、途上国における人口爆発、飢餓、局地紛争、そして核戦争の脅威……。


この危機的状況から人類と地球を救う道は、基本的には、国家的利害、イデオロギー抗争の枠をこえた「世界共同体」的な視野から、公正で合理的な解決を探り、調和のとれた平和な発展を目指す以外にはあるまい。

われわれは現在、世界史的な転換点に立っているのである。